堤淺吉漆店オンラインショップ

代用針炭 淺吉砥石

  • Ongoing
期間
2017年 -


「折れない」「減らない」針炭に代わる画期的スティック砥石

金継ぎ・蒔絵・螺鈿・彫漆 などに便利

漆芸における研磨材は、昔から呂色炭や駿河炭・朴炭などの天然炭が使われてきました。今も尚使われていますが、原料確保や人材不足、需要の激減などにより、現在では天然炭に代わる漆工用砥石の普及が進んでいます。下地研ぎから呂色磨きまで様々な場面に適合した粒度がありますが、多様な技法、数多くの工程がある中で、細かな部分の研磨作業をすることもあると思います。そんな時、これまでなら炭や砥石で「針炭」を形成して対応していた方が多いのではないでしょうか。しかし、針炭を作るにも、炭や砥石の特性上、すぐ割れたり、ボロボロになることも少なくなく、「針炭に代わる漆工用砥石」の開発を希望する声が寄せられていました。

そこで当社は、砥石メーカー協力のもと、「淺吉砥石」の開発を致しました。従来の漆工用砥石の製造方法とは全く違う手法を採用し、針炭の用途で使いやすいように細くて長いのに、「折れない」。これまでの砥石に比べ格段に「寿命が長い(減らない)」。その上、研磨力も優れているのが特徴です。特にご要望の多かった、金継ぎや彫漆の他、蒔絵や螺鈿、角や彫物の細かな部分の研磨などに最適です。種類も豊富なので、目的に応じた粒度や形状をチョイスして使って頂けます。

用途は十人十色。工夫次第で様々な使い方ができます。かゆいところに手が届く、あったら便利な淺吉砥石。先端を加工するとより、使いやすくなります。

厚さ1mmの標準タイプの淺吉砥石は9種類
一番汎用性の高い#700はご要望にお応えし、3mm角もご用意

特徴

上図のような箇所にぴったりフィットします

使用例

彫 漆

何層にも塗り重ねた塗膜を彫刻刀で彫り、彫った面を研磨する彫漆技法における淺吉砥石

彫漆における、するが炭・三和するが砥石・クリスタル砥石と淺吉砥石の比較例

  • 三和するが砥石#600を針炭に形成して使用
    →淺吉砥石を使用する場合:#700
  • するが炭を針炭に形成して使用
    →淺吉砥石を使用する場合:#1000
  • クリスタル砥石#1000 or#1500を針炭に形成して使用
    →淺吉砥石を使用する場合:#1200

金継ぎ

金継ぎにおける淺吉砥石の主な用途例

  • 淺吉砥石粒度:#180・#250
    →コクソや糊漆が頑固に残っている時の表面ならし
  • 淺吉砥石粒度:#360
    →#400・#500で落ちずらい場合のサビ荒研ぎ
  • 淺吉砥石粒度:#400・#500
    →サビ荒研ぎ
  • 淺吉砥石粒度:#700
    →サビ仕上げ研ぎ・中塗研ぎ・絵漆の筆あとがきつい時
  • 淺吉砥石粒度:#1000・#1200
    →絵漆・中塗研ぎ

※炭に比べ、研汁が黒くなりにくく、素焼きの物や細かな傷などに色が付きにくいのもメリット

蒔絵・螺鈿

1. 高蒔絵の場合

高上げした場合、平面から立ち上がる角度が付く部分の角を磨くにの便利です。

2. 貝を彫った部分の研磨

例えば厚貝を彫って葉脈を表現する場合、その彫った部分を研磨する必要がありますが、今まで、この細い部分の研磨に苦労されていた方も多いと思います。淺吉砥石を使用すると、ストレスなく研磨出来て便利です。

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