漆の研究



漆について

漆とはアジアでのみ生息する、ウルシの木から採取される自然の樹脂。古くは縄文時代(約10000年前)から塗料や接着剤として使われてきた。漆はウルシの木に傷がつくと、木が自分を守るために出す樹液。10年から15年かけて育てた木から 200gほどしかとれない貴重な自然の恵み。手塩にかけて育てた木から、漆掻きとよばれる職人が5ヵ月ほどかけて少しずつ採取します。

漆の塗膜は、しっとりと人の肌に馴染み、まるで赤ちゃんの肌の様と例えられる程、心地よく、温もりがある。天然の抗菌·殺菌作用もあり、安心·安全の観点からも優れている。使い続けることで生まれる独特の艶や質感は、化学塗料には出せない天然ならではのもの。自然と愛着が沸き、大切に使う。劣化しても塗り直して世代を超えて使える。物を大切にする心を養い、ご先祖様を敬うことにもつながる。高級品としてのイメージが強いが、永く、繰り返し使え、実は日常使いに適した身近なものなのです。

資料『漆のこれからを考える』

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