堤淺吉漆店オンラインショップ

BEARS WOOD PROJECT

  • Ongoing
期間
2022年2月 -

マイナスをプラスの価値へ

皆さんは、「クマ剥ぎ」をご存知でしょうか?その名の通り、野生の熊が爪や牙で樹皮を剥ぐ事を通称「クマ剥ぎ」と呼びます。私たちの第二の拠点でもある京都市右京区の山間地、京北エリアでも、このクマ剥ぎが増加し問題になっています。

クマ剥ぎにあった木は、再生することもありますが、環境によっては枯れてしまう場合もあります。それらは倒木や伐採時の危険が増す原因になったり、更には大切に育てられた木が材としての価値を失ったりと、木材の生産現場ではマイナスでしかなかったのです。

価値が下がってしまったクマ剥ぎ材は、チップと呼ばれる状態になって、紙の原料になるか火力発電の炉で燃やされるのが現状です。しかし、熊がクマ剥ぎに選んだ木というのは、実は育ちの良い木だったりもするのです。

また、熊が剥いだ木は、新しい樹皮が傷を覆うように再生し育つこともあります。そこから新しいオリジナルの木目が表れます。これは見方を変えると自然でしか表現することの出来ないアートであり、自然の中で生きる事の逞しさ、過酷さを我々に教えてくれます。

私たちは、数十年という長い年月をかけて、大切に手入れされてきた木々達(クマ剥ぎ材)が、粉々のチップにしかならない現状に違和感を抱いてきました。

「これまでマイナス要因だったクマ剥ぎをプラスの価値に変えることは出来ないか」

そんな想いから、京北町のキコリさんや木工職人たちと共に立ち上げたのが「ベアーズウッドプロジェクト」です。

クマ剥ぎが増えたのは、温暖化や環境の変化によって森に食べ物が少なくなったり、昔よりも人が山に入る機会が減ったからとも聞きます。熊だけを悪者にするのではなく、私たち自身の生活を見直したり、自分たちが新しい価値を生み出すことで問題を解決できないか。ベアーズウッドプロジェクトは、想いを共有する仲間たちと共に、木が循環するものづくりのあり方を模索し、課題解決を目指す活動です。

是非こちらの動画もご覧ください。

ギャラリー

プロジェクトメンバー

ベアーズウッドプロダクト